肌にいちばん近い一枚
軍で支給されるTシャツは、装備の中でもっとも肌に近い場所で着られる基本の一枚である。肩幅約49cm・着丈約68cmというゆとりのあるサイズは、他の装備の下に重ねて着ることを想定した作りになっている。
見えない場所の実用品
制服やジャケットの下に隠れてしまうTシャツは、見た目より機能が優先される装備である。汗を吸い、動きを妨げず、他の被服と干渉しない作りであることが求められてきた。派手さのなさこそが、この一枚の実用性を物語っている。
作りと質感
綿地は厚みがありながらも柔らかく、極上品らしく生地のへたりや黄ばみがほとんど見られない状態を保っている。縫製もシンプルながら丈夫で、長期間の保管に耐えてきたことがうかがえる。
いま、遺産として
誰の目にも触れない場所で着られていたはずのこの一枚が、こうして状態良く残っていること自体が一つの記録である。装備の一番奥にあった存在を、今ここで見ることができる。





