腰に吊るされた実用品
こちらもベトナム戦争期を思わせるコットン製のマガジンポーチである。US表記の刻印が示す通り米軍制式の携行具で、弾薬供給を絶やさないための最前線の道具だった。
サイズは約16cm×12cm×6cmとやや薄型で、複数個をベルトに並べて携行する運用が想定されている。
薄型設計の意味
厚みを抑えた作りは、腰回りに複数のポーチを並べても動きを妨げないための工夫だ。行軍や匍匐といった動作の多い歩兵にとって、余計な出っ張りは疲労と事故につながる。薄さと収納力の両立に、当時の装備設計者の経験値がにじむ。
素材の記憶
コットンダックの生地は洗濯や汗、湿気を繰り返し受けても破れにくい丈夫さで選ばれていた。中古品としての使用感はあるが、縫製の芯はしっかりと残っている。
いま、遺産として
飾り気のない実用品だからこそ、当時の兵站の現実がそのまま形に残っている。手に取れば、ジャングルの湿気や行軍の重さまでどこかで想像できる一点だ。












