海面に浮かぶ合図
DYE MARKER ダイマーカーは、着水時に色を出して自分の居場所を知らせるための装備である。極上品というコンディションで、当時の姿をほぼそのまま留めている。
小さな容器一つに、生死を分けかねない役割が託されていた。
洋上での命綱
航空機の乗員が海上に不時着した際、広い海の上で捜索隊に発見されることは容易ではない。ダイマーカーは水中に色素を放出し、上空や船からでも視認できる鮮やかな染みを作り出すことで、捜索の効率を飛躍的に高める役割を果たしてきた。
作りと質感
携行性を重視したコンパクトな容器に、瞬時に広範囲を着色できる色素が収められている。極上品の状態からは、実際に使用されることなく保管され続けてきた経緯がうかがえる。
いま、遺産として
一度も海に投じられることのなかったこのマーカーは、使われなかったことがむしろ幸運の証でもある。洋上での救助という切実な目的のために備えられていた道具として、今は静かに資料の一部となっている。






